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中国美味紀行その21(アモイ編2)「ビールのつまみにピッタリの牡蠣オムレツ──海蛎煎」

 海に面したアモイは海産物も豊富。それらを使った食べ物のなかで、値段が安く、日本人の舌にも合うB級屋台料理がある。今回は、ビールのつまみにもピッタリ合うこの料理を紹介する。

台湾屋台料理の定番がアモイにも

 アモイのある福建省の対面にある台湾では、夜になると街中にさまざまな食物の屋台が並ぶ「夜市」(イェーシー)が有名である。この夜市を代表する食べ物の一つに「蚵仔煎」という、牡蠣を使ったオムレツがある。アモイでもこの牡蠣のオムレツが、軽食に、ビールのつまみに、よく食べられている。それがこれだ。

「海蛎煎」。一皿15元(270円)ていど。もしかしたら、今はもう少し値上がりしているかも 台湾では「蚵仔煎」(オアジエン)と台湾語で読ばれているが、アモイでは「海蛎煎」(ハイリージエン)と、中国の共通語である普通話(日本でいう北京語)で呼ばれることが多いようだ。これは、中国全土から来る観光客でも分かるように、ということからかもしれない。

 この海蛎煎、店によって形がさまざまに変わり、上の写真のようにスクランブルエッグ状のものや、下の写真のようにオープンオムレツ状にして出すところ、そしてオムレツのように作るところもある。

真ん中に牡蠣を集めたオープンオムレツ式の海蛎煎

ソースにも東南アジアの影響が?

 材料は小振りの牡蠣に卵、片栗粉、調味料、青ネギなど。牡蠣が大量に(おそらく20個くらい)入っているので、口に入れた途端に牡蠣の風味が口いっぱいに広がってくる。そして、卵に片栗粉が入っているため、卵の部分にも粘りけがあり、不思議な食感となっている。

 そして、インドネシアやマレーシアでよく見かける、ケチャップのような色合いの甘辛いチリソースは必需品で、これが、やや脂っこい味にアクセントを加えてくれる。この味付け方法も、前回ご紹介した沙茶麺と同様、東南アジアの影響があるのかもしれない。

アモイ中心部の迷路のような路地の商店街にある海蛎煎のお店(写真右) そしてこれが、ビールによく合うんである。暑い夏の夜、屋台のテーブルで冷たいビールを片手に食べれば、もうここに移住してもかまわない!と思ってしまうほどの美味さ。筆者はアモイ滞在を始めたばかりのころ、5夜連続で晩酌にこれを食べたこともあるほどである。
オマケカット。アモイは中国で1位、2位を争う人気観光スポット。中国全土から観光客が集まってくる。写真はアモイで一番の商店街、中山路。夜になると観光客でいっぱいに

佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。