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中国美味紀行その36(上海編7)「屋台のC級グルメもまた美味し──涼皮&肉挟莫」

 台湾では各地にある夜市の屋台も、中国大陸のほうではほとんど見かけない。いろいろネットで探してみたり、あちこち歩いてみたりしたが、上海でもそれらしきものは見つからなかった。そんなとき、上海人の友人からお誘いが。会社の近くに屋台街があるから、一緒に行かないかと。大喜びで地下鉄を乗り継いで行ってみた。

ついに見つけた屋台街

 場所は、浦東新区にある地下鉄「張江高科」駅のすぐ近く。浦東新区というのは、その名のとおり、上海の中でも比較的新しく開発されたエリアで、上海の写真というとよく出てくる、川の向こうに高層ビルが並んでいるところも、その一部である。とはいえ、あの高層ビルは川沿いのほんの一部の地区にあるだけで、ちょっと奥のほうに進めば、田園地帯が広がっている。さらに奥の海沿いまで行くと、上海浦東国際空港がある。

「張江高科」は田園地帯に入る手前あたりにあり、「高科」の名前のとおり、ハイテク関係の企業がここに数多く拠点を構えている。つまり、「張江高科」駅のあたりも新しく開発されたところがほとんどで、そこにある屋台街も、特に歴史があるわけではないらしい。

 まあ歴史があろうがなかろうが、屋台街があればそれでOK。夜の帳が下りた頃、胸を躍らせながらその屋台街へと入っていった。

「張江小吃街」それほど大きくないが、数十軒の屋台が並ぶ あるある、狭い路地の両脇に並ぶのは、どれも食べ物の屋台。しかもけっこう賑わっている。あちこち2往復くらいしたが、目移りして、どれを食べるか決められない。結局、ここに何度か来ている友人のお薦めの「涼皮」と「肉挟莫」(莫の字は、本来は食へんに莫)を食べることにした。

「涼皮」(6元=約90円)秦の始皇帝の時代(紀元前3世紀)から食べられていたとか「涼皮」(リァンピー)は、平ぺったい麺に甘酸っぱ辛いタレをかけ、キュウリやモヤシなどの刻んだ野菜を散らした小吃。中国の古都・西安がある陜西省のものが一番よく知られている。「涼」という名前がついているとおり、冷たいままいただく。冷たい食べ物を嫌う中国では比較的珍しい食べ方ともいえる。ちなみに、「皮」という字のほうを見ると日本人からしたらちょっと気持ち悪いが、中国語では平たく伸ばされたものを指すことにも使われる。

 お味のほうは、かなり強引な表現でいえば、冷やし中華に似ている。量が多くないので、小腹が空いたときにちょうど良さそうだ。

なぜか二つ続けて陜西省の小吃を

「肉挟莫」(ロウジァーモー)のほうも涼皮と同様、陜西省の名物。いわば中国風ハンバーガーといったところで、白っぽいパン状のバンズの間に炒めた肉を挟んでいただく。雰囲気としては、モスバーガーの焼き肉ライスバーガーを想像していただくと、それに近い。

 本来なら、その写真をお見せするところだが、これまで何度写真を撮っても、きれいに撮れない。というわけで、屋台で作っているところの写真で勘弁していただきたい。

炎が立ち上がる鉄製の釜で肉挟莫のバンズを焼き上げていくその隣では、奥さんが肉を炒め、バンズに詰めていく 夫婦二人(たぶん)が、息の合ったタイミングで肉挟莫を作り上げていく。肉挟莫は中国のあちこちで食べることができるが、ここの屋台のものはパンまで焼きたてで、なかなかよかった。たしか値段は4〜5元前後(70円前後)だったと思う。

 食べたのはたった二つだったが、大満足。ぜひまた来ようと思っていたのだが、なにせ家から遠く、結局、もう一度行くことはなかった。
オマケカット。蘇州河から見た浦東の高層ビル街

佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。