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中国美味紀行その129(四川食い倒れ旅編18)「四川土産にぴったりなのは──麻辣花生」

 今回は四川食い倒れ旅編の最終巻。前回より時間が少しさかのぼって、翌日朝の便で帰国となった日の成都での午後。成都一の繁華街である春熙路(チュン シー ルー)を歩いていた時に、伊勢丹デパート地下の食品フロアで四川土産にちょうどいいものを見つけた。

麻辣好きにはたまらない美味しさ

帰国当日の朝、ホテル室内で、前日夜にコンビニで買ったパンとともに飲んだ牛乳。ロングライフなので常温で保存できる。「高钙低脂奶」は高カルシウム低脂肪乳という意味 中国旅行のお土産というのはなかなか難しいものがある。日本では中国の食品に対するイメージがあまりよくないので、食べ物をお土産にあげても、あまり喜ばれない可能性が高い。かといって食べ物以外のお土産といっても大したものはないし、もらった人も困るだけである。

 一番いいのは、中国で販売されているグリコのプリッツ。いろいろな味があるのだが、お土産用としては北京ダック味、上海蟹味、広東フカヒレスープ味、そして四川料理味の4種類がある。味はビミョーだが、日本のメーカーが作っているだけに安心感があるし、細長い小箱入りなので軽くてかさばらず、大勢に配るのにちょうどいい。日本人が行くようなスーパーやデパートでしか見たことがないので、これはほとんど日本人向けのお土産商品なのではないかと思う。

 で、今回、店内の商品棚をぐるぐると歩いている時に目についたのがこれ、「寬窄麻辣花生」(クアン ヂャイ マー ラー フア シェン)である。見た瞬間に、あ、これにしようと思った。

「寬窄麻辣花生」(25元=約390円)

 寬窄麻辣花生の寬窄は、成都市内にある観光名所の一つ「寬窄巷子」から取っているのだろう。花生はピーナッツのことである。つまり、麻辣味のピーナッツである。以前、これとよく似たものを中国土産にもらったことがあり、それが麻辣好きにはたまらない美味しさだったのだ。

 重さは大したことがないが、箱の1辺が20センチほどあって大きいので、大勢に配るのには向いていない。とりあえず2箱だけ買うことにした。これだけではまったく足りないのだが、家族以外では飲み仲間に配るだけなので、足りなかったら足りなかったでたいした問題はない。

 そして帰国当日。空港でチェックイン・出国審査を終えて、土産店をうろうろしていた時に、ついに大勢に渡せるものを見つけてしまった。それがこれである。

「黄飛紅 麻辣花生」(10元=約160円) これが、以前に中国土産でもらって感動した麻辣花生である。1袋10元。土産物店価格なので、市中で買えばもっと安いだろう。財布を見ると、100元札がちょうど1枚、残っていた。現金を残しておいてもしょうがないので、まとめて10袋買うことにした。

 10袋というとかなりかさばるので、持ち運び用の袋というか手提げバッグが必要だったが、これが3元(50円弱)だという。もう財布の中に紙幣は残っていない。ポケットの中を探ると、幸い小銭がまだ少し残っていて、ギリギリ買うことができた。これを手荷物として機内に持ち込んだ。

 ただし、これは厳密にいうと四川土産にはならない。というのも、これを作っているのは中国東部の山東省にある会社だからである。あともう一つ。実はこれ、日本でも買える。東京では池袋駅北口やアメ横にある中国食品の店で普通に売っているし、ネットでも買えるのだ。しかも、パッケージには日本語で「スパイシーピーナッツ 山椒&唐辛子入り」などと大きく書かれていたりする。まあそういうことも、よほどの中国食品通でなければ知らないことだろう。

袋から出した麻辣花生。一緒に入っている唐辛子と花椒は食べる必要がないが、花椒を数粒まとめて口先で噛み砕くと、あの痺れも少し堪能できる 帰国してから、自分で両方を食べ比べてみた。味はほぼ同じ。寬窄麻辣花生のほうは真空レトルトパックに入っていて、ピーナッツがしっとりしているのに対し、黄飛紅麻辣花生のほうは乾燥したタイプだった。

 どちらもやはり美味い。気をつけないと、一袋をあっという間に食べきってしまいそうなほど。麻辣な味を楽しみながら、つい先日まで歩き回っていた遠い四川に思いを馳せた。今のこのような状況の中、次に中国旅行に行けるのはいつのことだろうか。

 これにて5泊6日(実質丸4日間)の「四川食い倒れ旅編」は終わり。次回からは新シリーズに入る。
おまけカット。春熙路のショッピングモールの壁をよじ登るパンダ(の像)

佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。