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吃貨美味探訪記 No.139(日本編その38)「日本ではまだマイナーな香港の代表的ストリートスイーツ──雞蛋仔」

 香港の代表的なストリートスイーツといえる「雞蛋仔」の屋台が都内にあると知り、行ってみた。雞蛋仔は香港の食べ物なので、広東語で「ガイ ダーン ザイ」と読む。ワッフルのようでワッフルではない、たこ焼きとはまったく違う、ベビーカステラともちょっと違う。そんな雞蛋仔をご紹介しよう。

買ったらすぐに歩きながら食べるのが基本

 香港の街中では、さまざまなストリートフードを売る売店があちこちにある。そこでよく食べられているのが咖喱魚蛋(広東語:ガー レイ ユー ダーン)。これはフィッシュボール(魚のつみれ団子)をカレーソースに浸したしたもので、店によって出し方は違うかもしれないが、一般的には紙コップまたは透明容器に入れて渡されるので、それを串で刺して食べながら街を歩く。

香港の繁華街には、ストリートフードを売るこういった店があちこちにある

 咖喱魚蛋が香港のストリートフードの代表なら、ストリート“スイーツ”の代表格といえるのが雞蛋仔。ピンポン玉ほどの大きさの丸々した塊が連なっているパンケーキのような食べ物である。雞蛋仔は直訳すると「子供の鶏卵」というような意味になるが、それだと変なので「小さな卵」みたいな感じだろう。また、仔は名前の後につけると「〜〜ちゃん」という親しみを込めた呼びかけになるので、雞蛋仔は「卵ちゃん」という意味にもなる。

 雞蛋仔の基本的な材料は鶏卵と小麦粉と砂糖の3つ。それ以外に、牛乳やエバミルク、味付け用にチョコなど、店によって他のものを加えたりしている。それらを混ぜ合わせて作った生地を、たこ焼きを作る鉄板のような凹みのついたフライパンに流し込み、同じ形のフライパンを重ね、炭火の上で何度もひっくり返して熱していく。ただ最近は、炭火ではなく、鉄板部分が電熱器になっている調理器具を使うことがほとんどのようである。

 出来上がったら熱々を紙の袋に入れてくれるので、それを持って、道々歩きながら食べていく。ストリートフードは買ったらすぐに食べるのが基本。冷めてしまってはそれほど美味しくない。

 というわけで、都内で食べた雞蛋仔である。頼んでから10分ほどたって手渡されたのがこれである。

なんのフレーバーもトッピングも加えていないオリジナルバージョン

 外側はややサクサクで、中はふわふわ。軽めのパンケーキといった感じの食感で、甘みは抑えてある。一番シンプルなものを食べたが、他には、生地にチョコや抹茶を加えたものや、丸めた中にイチゴやチョコ、ハムなどを入れるものもあった。また、他の店ではアイスを入れて、パフェのようにしたものまである。まるでクレープのようである。香港にも同じようにして食べるのか、それとも日本だけの創作なのかは不明。

 この雞蛋仔、日本ではまだあまり知られていないが、台湾発のタピオカドリンクのように、これから流行るだろうか。
 

佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。