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吃貨美味探訪記 No.141(日本編その39)「最近は日本で食べられる店が増えてきたマレーシアの中華系料理──肉骨茶」

 毎月第一土曜日のコラムは日本で食べられる中国料理をご紹介する回だが、今回は同じ中国系でも、日本で食べられるマレーシアの中華系料理をご紹介する。昨年8月にマレーシア編が始まった時の最初に取り上げた肉骨茶(バクテー)である。このところ、これが食べられる店が増えてきているのである。

肉料理だけど肉だけじゃ物足りない

 東南アジアの国々の料理のなかで、タイ料理やベトナム料理に比べると、マレーシア料理はまだまだマイナーである。筆者が初めて日本でマレーシア料理を食べたのは1994年、今から27年も前のこと。思い返してみれば、あのころはベトナム料理もまだまだマイナーだった。都内でも数店しかなかったのではないかと思う。

 それから四半世紀以上。相変わらずマレーシア料理はマイナーなままだが、それでも以前よりは店が増えている。特に肉骨茶が、少しずつではあるが、存在感を増しているような気がする。というわけで、今回は2軒の店で食べた肉骨茶を取り上げる。

 一軒目は都内でも老舗的存在のマレーシア料理店のランチで食べた肉骨茶。

醤油系の濃い色のスープだが、味はそれほど濃くない

 9種類の漢方薬で煮込まれたという豚肉は、肉を噛みしめると、やや漢方の風味が感じられる薄めの醤油味。油揚げがスープを吸って、これもご飯のおかずになる。レタスもスープに浸しておくと、そのうちにヘタってきて、スープと絡んでいく。やっぱり肉骨茶はメシと合う。

 二軒目は、比較的新しい、肉骨茶をメインとした店に。ランチセットの基本は骨付き肉1本なのだが、プラス150円でもう一本足すことができる。しかし、これだと肉以外に何も入っていない。悩んだ末に、骨付き肉1本を足すよりも高くなるが、トッピングとして油揚げとレタスをプラスすることにした。それがこれである。

こちらは18種類の薬膳で煮込んでいるとか。スープの色も薄い

タレを少しだけつけていただく やっぱり肉骨茶に油揚げとレタスは必須だと思う。じっくり煮込まれた骨付き肉は、柔らかく、骨から簡単にホロリと取れる。それにタレをちょいとつけて食べると、口の中で肉の旨味とスープの味わいが渾然となって広がっていく。

 肉を食べ終えたら、残ったご飯をスープの中にぶっこむ。これが肉骨茶の正式な食べ方らしい。マレーシアで食べた時はどうだったろう。食べることに夢中で、よく覚えていない。

 マレーシアでは一般的に肉骨茶は大人数で食べるものだが、日本では気軽に一人分を食べられるのが嬉しいところ。でもやっぱり、早くマレーシアの人たちと一緒に大勢で肉骨茶の土鍋を囲みたいものである。
浸したご飯と一緒に、スープも一滴残さず飲み干す

佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。