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吃貨美味探訪記 No.143(日本編その40)「早く台湾で食べたい豆乳スープ──鹹豆漿」

 タピオカミルクティ人気の影響なのか、台湾では一般的だが日本ではなかなか食べられなかった食べ物を出す店が、このところ都内に増えてきている。その一つが鹹豆漿(シエン ドウ ジァン)、つまり豆乳スープである。特に女性に人気のようで、女性雑誌でもよく取り上げられている。というわけで、日本の鹹豆漿を食べに行ってみた。

豆乳の固まり加減は茶碗蒸しくらい

 まずは一軒目。土曜日ということもあってか、午前中だというのに店内はそこそこ混んでいて、女性客が多かった。一緒に頼んだ胡椒餅(フー ジァオ ビン)が焼き上がるまでに時間がかかったので、けっこう待たされてようやく出てきたのがこれ。

 スープというよりも茶碗蒸しくらいの固まり具合。量はかなり少ない。味もなんかピンとこなくて、イマイチだった。ただし、焼き立ての胡椒餅のほうは美味かった。こちらはまた食べたいほど。この胡椒餅については、次回に取り上げようと思っている。

 続いて、仕事が暇だったので早めの昼食がてら地下鉄に乗って行ってみた店の鹹豆漿がこちら。この店も、客は女性ばかりだった。

 鹹豆漿に必須の揚げパン、油条(ヨウ ティアオ)のほうは、サクサクというよりモチモチしたタイプで、うーん、味的にはそんなに問題ないけど、これはどうなんだろうといった感じ。一方で鹹豆漿のほうは、前回の店と同じく茶碗蒸しほどに固まっていたが、味のほうはずっと良し。ただし、やっぱり量的には物足りない。女性のお腹だと、これくらいでちょうどいいのだろうか。

鹹豆漿は100円ちょっと、油条が60円ほど ちなみに、以前にも取り上げたが、台湾で朝食に食べた鹹豆漿が右の写真である。ラーメン丼ほどの大きさの器に入っているから、食べごたえがあるし、豆乳は固まりつつあるも、やはりスープに近い。これにサクサクの油条を浸して食べると、朝から極楽である。

この3点セットで、日本円にして80円ちょっとというのは、現地価格でもかなり安い ついでにもう一つ、こちらも5年近く前に取り上げたもので、上海に住んでいた頃に好きで朝食に食べにいっていた鹹豆漿がその下の写真である。こちらもスープタイプで、ざく切りした油条が中にたっぷり入っているが、やっぱり追加で油条は欠かせない。これに生煎(シェン ジエン=日本では焼き小籠包などとも呼ばれる)を加えれば、これはもう朝食というよりディナーである。

 日本で食べる鹹豆漿は、台湾よりも5倍近く高い。やっぱり早く台湾であの鹹豆漿を食べたいものである。

佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。