SecurityInsight | セキュリティインサイト

吃貨美味探訪記 No.198(マレーシア編その35)「番外編:4年ぶりに新宿で開催されたマレーシアフェアへ──ナシルマッ& etc.」

 本来であれば、今回はイポー4日目の夜、クアラルンプールで行われる結婚式の前夜祭の話にするはずだったが、11月始めに新宿中央公園で開催されたマレーシアフェアに行ってきたので、今回は番外編として、その時のことについてお伝えする。

美味しかったものもあれば、期待ハズレのものも

 マレーシアフェアは、知っているかぎりでは2018年と2019年の11月に新宿中央公園で開催されていたが、コロナ禍により3年連続で中止となっていた(昨年は渋谷のMEGAドン・キホーテでマレーシア食品の販売だけ行われた)。それが今年の11月、4年ぶりに開催されるということで、東京に住むマレーシア人の知り合い(華人)と二人で、4年ぶりにマレーシアフェアに行ってみた。

会場では、スカーフ姿(マレー語で「tudung」トゥドゥンというらしい)のマレー系女性たちがあちこちに

 会場に到着した時、ステージ場ではマレーシアの歌手、エイミー・サーチが熱唱していて、ステージ前に設置されたテーブル席には多くの人が集まっていた。一緒に行ったマレーシア人の知り合い曰く、「マレーシアで知らない人がいないほど有名なロック歌手」とのこと。マレーシアフェアのサイトでは「マレーシアロック界の巨星」と紹介されていた。

ステージ場のエイミー・サーチ。『Isabella』という曲が有名らしい。ロックというよりバラード調の曲だった

10〜15分くらいで食べ物を買うことができた みんなステージに注目していて、今なら食べ物の屋台も少しは空いているのではないかと、ステージ鑑賞もそこそこに、すぐ後ろにある屋台スペースへ。代々木公園イベント広場でよく行われている「●●フェスティバル」では、コロナ禍のうっぷんを晴らすかのように人が押し寄せていて、食べ物の屋台など長蛇の列で並ぶ気にもならないほどだが、新宿中央公園のマレーシアフェアはほどよい混み具合で、多くの屋台は、まあこれくらいなら並んでもいいかという程度の長さの列だった。

 そこで買って食べたのがこちらの4品である。

 まずはナシ・ルマッ(nasi lemak)。バナナの葉に包まれたチマキのような形をしていて、葉っぱをめくると、中にはココナッツミルクで炊いたご飯にゆで卵半分、ピーナッツ、イカン・ビリス(ikan bilis、小魚の煮干しのようなもの)、そしてキュウリのスライスに、サンバルソースがかかっている。

 おにぎり程度の大きさで、さくっと食べられる。日本のマレーシア料理店にもあるが、たいていは皿に盛られて出てくるので、葉っぱで包まれたものは珍しい。このナシルマッについては、以前に〈吃貨美味探訪記 No.132(大馬編その2)「マレーシアの朝食の定番──ナシルマッ」〉で説明しているので、ぜひそちらも見ていただきたい。

 次はロティ・チャナイ(roti canai)。インド由来の食べ物で、クレープのように薄く焼いてクシャッと丸めたような生地にカレーが付いている。今回食べたものは、カレーの味にあまり特徴がなかったのが残念。もう少し強い味でもよかった。このロティ・チャナイも、以前に〈吃貨美味探訪記 No.158(大馬編その15)「カレーとの相性が抜群なインド由来の薄いパン──Roti canai(ロティ・チャナイ)〉でご紹介している。

 3つ目がカレー麺(mee kari)。これはハズレだった。カレー麺はイポーで何度も食べてきたが、それとは比べ物にならない。というわけで、イポーのカレー麺については〈吃貨美味探訪記 No.138(大馬編その5)「マレーシアの空港に着いたらまず食べるカレーヌードル──咖喱麺その1」〉〈吃貨美味探訪記 No.140(大馬編その6)「カレーヌードルの汁なしと汁あり、どっちを食べる? 両方食べる!──咖喱麺その2」〉を見ていただければ。

 そして4つ目がオタッオタッ(otak-otak)。これはマレーシアで食べたことがなかったので、試しに買ってみた。魚の切り身を使った食べ物で、いうなればマレーシア風かまぼこ。長さは10cmほどで、日本のかまぼこよりも柔らかく、なんだかよく分からない味だった。

 知人曰く「マレーシアでは葉っぱで包んだまま焼くから、葉っぱを広げるとすごくいい匂いがする。マラッカ近くのが有名」とのこと。マラッカには行ったことがないので、もし行く機会があれば、本場の味を試してみたいものである。

 エイミー・サーチの歌が終わったあとも、ステージ上では民族音楽の演奏などが行われていたのだが、ビールが売り切れていて飲むことができなかったので、酒飲みの二人は早々に会場を後にして、まだ明るい新宿の酒場街へと向かったのだった。

 さて、今回の記事を書くにあたり、2019年に行ったマレーシアフェアの写真を探してみたら、こんなものを食べていた(この時は一人で行った)。

 左がサンバルソースの代わりにチキンカレーが付いたナシルマッで、右は前回のマレーシア編でも紹介した肉骨茶(バクテー)。と、ここでもう1枚見つけたのが右の写真。この時にもエイミー・サーチが来ていて、しかも歌っているところを写真に撮っていた。もちろんこの時は、彼が何者かまったく知らなかった。YouTubeに彼のミュージックビデオがあったので、時間がある時に観てみようと思っている。

 

佐久間賢三
仕事が忙しいわけでもないのに、出張以外にどこにも遊びに行かない日々。来年の旧正月にマレーシアに行く飛行機の予約を早々に取り、今からワクワクしている。