Macのエディタに音声書き起こし用のショートカットキーを追加する

Macで音声起こし(テープ起こし)をする際のTipsです。ワープロソフト(エディタ)と音楽再生ソフトを使って音声を起こしているときに、ワープロソフト上からショートカットキーで「○秒戻る」「再生/一時停止」「○秒進む」をできるようにします。

ショートカットキーを使った「○秒戻る」などは、音声起こし用のソフト使えば簡単にできます。ただ、原稿執筆に使っているワープロソフトなどと使い勝手が変わるため、とまどうことがあります。音楽再生ソフトが動画に対応していないこともあります。どうせなら普段使っているソフトだけで「○秒戻る」がしたい。

そこで、ワープロソフト上からショートカットキーで音楽再生ソフトを呼び出し、「○秒戻る」などの処理をしたあとにワープロソフトに戻ってくるような仕組みを作ります。

VLCで動画を再生しながら音声をエディタで起こす

いくつか方法がありますが、今回はMacに標準で備わっている「AppleScript」と「Automator」を使います。AppleScriptは、Macのスクリプティング環境です。Automatorはさまざま処理をワークフロー化して自動処理するツールです。

具体的には、以下のような手順で設定します。

まず、Automatorを開いて、「サービス」を選択します。

Automatorはアプリケーションフォルダにあります

左側「ライブラリ」で「ユーティリティ」を選択し、「AppleScriptを実行」をダブルクリックします。

スクリプトをサービスに割り当てます右側上部の「"サービス"は次の選択項目を受け取る」で「入力なし」、そのとなりは「すべてのアプリケーション」にします。「AppleScriptを実行」の欄には、下記のようなAppleScriptのコードをペーストします。

tell application "VLC"
 activate
 tell application "System Events"
  key code "123" using {command down, control down}
 end tell
 tell application "Jedit X"
  activate
 end tell
end tell

上記は、ワープロソフトとして「Jedit X」、音楽再生ソフトとして「VLC」を使った例です。「"123"」は「←」のキーコードです。VLCで「ほんのすこし前に戻る」をショートカット設定で「Command + Control + ←」に割り当てています。

実行ボタンを押して、うまく動いたら、Command + Sを押して「vlc_back」などと名前を付けて保存します。

画面内の「Your script goes here」のところにペーストします次に、「システム環境設定」から「キーボード」「ショーカット」を選び、左側のリストから「サービス」を選びます。右側の欄を一番下までスクロールすると「一般」のところにさきほど作成した「vlc_back」が表示されています。

すべてのキーに割り当てられるわけではないようです。vlc_backをクリックして、ショートカットキーとして「Command + F2」などのキーを設定します。

これで、ショートカットキーを使った「○秒戻る」が設定できました。

同じように「○秒進む」については、"123"の箇所を"124"(「→」のキーコード)に書き換えて「vlc_forward」などとして保存してショートカットキーを割り当てます。また「再生/一時停止」については、"49"(スペースのキーコード)を設定することにします。

これで設定は完了ですが、いくつか気になるところもあります。まず、実行したときに少し動作に遅れがでます。また、ショートカットとして"1キー"が設定できません。たとえば、F7、F8、F9単独のキーには設定してもうまく動きません。

これらの点は、AppleScriptをキーカスタマイズ用のツールと組み合わせて使うことである程度解決できます。そこで、次回は、Karabinerというキーカスタマイズツールを使って、F7、F8、F9の"1キー"で「○秒戻る」「再生/一時停止」「○秒進む」を実現する方法を紹介します。

関連リンク

Mac 101:Automator