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シスコ、IoT戦略とIoTプラットフォームの国内展開を解説

シスコシステムズは9月21日、記者説明会を開催し、7月に米国で発表したIoTプラットフォーム「Cisco Jasper」「Cisco Kinetic」の国内展開について説明した。

Jasperは2016年にシスコが買収したIoTプラットフォーム企業の技術で通信業者と連携しSIMを含めたデバイスの管理を実現する。Kineticは2017年7月に新たに発表したIoT運用プラットフォームで、センサーやゲートウェイ、ネットワークなどを統合的に管理することができる。国内提供は年内を予定しており、製造、スマートシティなどの産業別にスターターソリューションを用意し、順次提供していく。

ジャハンギール・モハメッド氏

米シスコシステムズでIoTクラウド事業担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのジャハンギール・モハメッド(Jahangir Mohammed)は、企業がIoTに取り組む際の課題について、セキュリティ管理や運用管理が複雑なこと、データがモノの中に閉じ込められ活用できないこと、データをアプリとして活用するプラグラマブルな手段がないこと、データのプライバシー・セキュリティ・オーナーシップの管理を徹底できるソフトがないことの4つを挙げた。

こうした課題に対応するのが、シスコが提供するIoTネットワークワークファブリックと、IoTデータファブリックだという。IoTネットワークワークファブリックは、運用をシンプル化するというシスコのネットワーク戦略「Cisco Intent-Based Network」のもとJasperが提供する「Control Center」での統合管理を実現する。一方、IoTデータファブリックについては、Kinecticプラットフォームを活用する。

Kinecticのユースケース

「Kinecticを使えば、システムの自動プロビジョニングから、セキュアなデータの正規化、データの解析、ルールの実行、データの可視化、アプリケーションへの実装が可能だ。ネットワークファブリックとデータファブリックを統合することでIoTに対する威力を発揮することができる」(モハメッド氏)

デモでは、会場に設置されたセンサ(Raspberry Pi)とゲートウェイ(Cisco 829 Industrial Integrated Services Router)をJasper対応のLTEサービスでデータセンターとつなぎ、Kineticクラウドからリアルタイムにモニタリングする様子を示した。

Kinecticの画面。グラフィカルに処理を書くことができる

JasperではSIMも含めてデバイスを管理できる

産業ごとのスターターソリーションについては、インダストリ プロダクト グループ デイレクター ブライアン・タンゼン(Bryan Tantzen)が解説した。

ブライアン・タンゼン氏

ソリューションは現在、都市、製造業、石油&ガス、運輸、流通の5分野について提供している。「サードパーティのハードウェアやソフトウェアをパッケージ化して提供する。概してコストは5万ドル以下。コンポーネントと料金は一定で、2週間で目に見えるビジネス価値を提供できる」(タンゼン氏)

例えば、都市向けのソリューション「Kinetic for Cities Starter Solutions」では、パーキング、屋外照明、アーバンモビリティ、環境、安心&安全という5つのテーマに適用できる。駐車スペースを簡単に見つけられるようにしたり、照明を管理してエネルギーコストを抑えるといった活用ができる。

産業別にソリューションを提供

濱田義之氏

国内展開については、執行役員 最高技術責任者 最高セキュリティ責任者の濱田義之氏が説明した。当初のフォーカスするエリアとしては、製造業とスマートシティの2つ。製造業ではファナック、ヤマザキマザック、横河ソリューションサービス、マキノ、オークマらと連携し、取り組みを進めている。

スマートシティでは京都府と連携し、木津川市と「スマートライティング(照明)」「ビデオサーベイランス(監視カメラ)」「コネクテッドデジタルプラットフォーム(街灯などの都市管理)」「通行状況分析システム」などの取り組みを進めている。国内でのスターターソリューションは、一部認証手続きを行っており、年内には提供する見込みだ。

スターターソリューションの概念図

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