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カスペルスキー、2018年第2四半期「サイバー脅威レポート」を公開。モバイルバンキングを狙うトロイの木馬が増大、過去最大件数に

カスペルスキーは8月9日、Kaspersky Labが2018年第2四半期(4月~6月)のサイバー脅威レポートを公開したことを発表した。この期間には、モバイルバンキングを狙うトロイの木馬が増大し、2018年第1四半期(1月~3月)の3.2倍となる6万1,000件を超え、全四半期ベースで過去最大の数となった。レポートの概要は以下のとおり。

■モバイルバンキングを狙うトロイの木馬が、観測上最大数に
この四半期には、モバイルバンキング型トロイの木馬のインストールパッケージを61,045件確認。この数は、第1四半期の18,912件から約3.2倍の増加となったうえ、Kaspersky Labによる同脅威の観測上、最大の数となった。この数に最も大きな影響を与えたのがトロイの木馬「Hqwar」で、検知した新たな亜種の約半分はこのマルウェアに関連していた。トロイの木馬「Agent」がそれに続き、約5,000件のパッケージを確認している。

この四半期のあらゆるモバイルマルウェアの攻撃の中で、モバイルバンキング型トロイの木馬による攻撃を受けたユーザーの割合のトップ2は、米国(0.79%)、ロシア(0.7%)だった。ロシアと米国は第1四半期から順位が入れ替わった。3位はポーランド(0.28%)で、第1四半期の9位から上昇したが、主に亜種Trojan.AndroidOS.Agent.cwとTrojan-Banker.AndroidOS.Marcher.wが活発に拡散されたためとみている。

この結果は、この四半期のモバイルマルウェアのインストールパッケージの検知数が、第1四半期の132万件から42万件(32%)増加の174万件であることから、世界的にモバイルマルウェアは増加傾向にあり、その一部とみている。

■カスペルスキー製品での観測:2018年第2四半期(4月~6月)
・187か国のオンラインリソースからの悪意ある攻撃を9億6,295万件検知した。これは第1四半期から20%以上の増加(第1四半期は、194か国のオンラインリソースから悪意ある攻撃を7億9,681万件検知)。

・Webアンチウイルスコンポーネントが検知した悪意あるURLは3億5,191万件。これは第1四半期から24%以上の増加(第1四半期は2億8,281万件)。

・オンラインバンキングを標的とするマルウェア感染の試みを、21万5,762台のユーザーコンピューターで検知した。これは第1四半期から5%以上の増加第1四半期は20万4,448台)。

・ファイルアンチウイルスコンポーネントが検知した、悪意あるオブジェクトと不審なオブジェクトの数は、重複を除き合計1億9,205万だった。これは第1四半期から2%以上の増加(第1四半期は1億8,760万)。

・モバイルデバイス向け製品が検知した悪意あるインストールパッケージ数は174万だった。これは第1四半期から32%の増加(第1四半期は132万)。
 

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