日本損害保険協会、「サイバー保険に関する調査2018」を発表

日本損害保険協会は3月11日、サイバーセキュリティやサイバー保険に関して、国内の企業1,113社からの回答を得たアンケート調査「サイバー保険に関する調査2018」を発表した。その結果の概要は以下のとおり。

1.サイバーセキュリティへの対策、中小企業ほど「わからない」
サイバーセキュリティ対応の充足度に対する認識について、企業全体では「十分である」との回答は、わずか5.2%となっている。傾向としては、売上規模が小さくなるにつれて、自社のサイバーセキュリティ対策について「十分である」「不十分である」ではなく、「わからない」と回答する割合が高まっており、充足度について認識していない傾向がある。

2.サイバー攻撃への「危機認識」、中小企業ほど低下
自社がサイバー攻撃の対象になる可能性について、企業全体では「可能性がある」との回答が38.9%、「可能性がない」は5.7%、「わからない」は54.9%となっており、60%以上の企業が、自社がサイバー攻撃の対象になる可能性があることを認識していない。従業員数別で見ると、1,000名以上の企業では「可能性がある」との回答が79%に対して、50名未満の企業では25.1%にとどまり、企業規模が小さいほどサイバー攻撃への危機意識が低い傾向にある。

3.サイバーセキュリティ事故経験、全体の14.1%は「ある」
サイバーセキュリティの事故経験について、企業全体では「ある」との回答が14.1%、「ない」が74.4%となっている。調査結果から、売上高や従業員数、個人情報の保有数が多い企業ほど、事故経験がある割合は高くなる傾向があるが、企業規模が小さい企業でも事故経験がある。

4.サイバー保険を「よく知っている」は企業全体で7.7%
サイバー保険の認知状況について、企業全体では「よく知っている」との回答が7.7%、「ある程度知っている」が17.9%、「名前だけ知っている」が31.7%、「知らない」が42.3%となっており、サイバー保険の内容まで含めた認知度は、未だ低い。従業員数別で見ると、50名未満の企業では「よく知っている」との回答が1.6%、「ある程度知っている」が10.4%に留まり、企業規模が小さいほど、認知度が低い傾向にある。

5.サイバー保険の加入状況は50名未満の企業で4.9%
サイバー保険の加入状況について、企業全体での加入率は12%、検討実績のある企業の割合と合わせても、25%程度となっている。従業員数別に見ると、50名未満の企業の加入率は4.9%となっており、サイバーリスクへの備えとしてのサイバー保険の活用は、まだ進んでいない状況となっている。

 

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