NEC、通信事業者ネットワークへのサイバー攻撃をAIを活用して検知・分析する製品を開発
- 2019/07/10 10:00
- SecurityInsight
NECは7月8日、通信事業者のネットワークを流れる信号情報を基に、サイバー攻撃の検知・分析を行なうAI製品を開発し、販売を開始したことを発表した。
この製品は通信の制御信号（C-Plane）のデータが持つ特徴をAIでモデル化し、サイバー攻撃の検知と統合的な分析を行なうもので、導入することで、通信事業者ネットワークに対するサイバー攻撃の検知・分析を人手で行なう場合と比較して、最大90％の稼働工数が削減可能になるという。また、SOCの運用で課題となる未知の手法によるゼロデイ攻撃の検知が可能となる。
さらに、監視・分析対象とする信号、プロトコルの特徴を追加することで、他の国内・海外通信事業者や固定・移動通信事業者が運営するネットワークとの境界にも適用可能になり、外部ネットワークからの脅威にも対応することで安全性を向上させる。
■この製品の特徴
・通信の信号を対象とした分析
従来のネットワーク機器の利用状況の情報を用いた分析ではなく、SS7をはじめとした通信の信号を分析。これにより、ネットワーク機器のベンダーや構成に依存しない分析を実現。
・ネットワーク上の制御信号の特徴をAIがモデル化
NECが培ってきた、通信事業者ネットワーク固有のプロトコルや通信信号に関する知見を基に、制御信号の特徴を抽出しモデル化するAIを開発し、人によらない分析を実現。
・ホワイトボックス型AI
ホワイトボックス型AIにより、AIが導き出した結果に至る理由（判断根拠）を確認可能。従来の既知の攻撃とマッチングする手法とは異なり、平時の通信状態をモデル化し、その基準から大きく外れた振る舞いを示した通信をサイバー攻撃の可能性と判断。