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富士キメラ総研、「2019 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編/企業編」を公開

富士キメラ総研は12月26日、法人向けのネットワークセキュリティ製品・サービスの国内市場を調査した結果を「2019 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編」「同 企業編」にまとめ、公開した。2023年度の市場は6,617億円(2018年度比31.9%増)と予測している。調査結果の概要は以下のとおり。

法人向けネットワークセキュリティ製品・サービスの国内市場は、標的型攻撃やランサムウェア、サプライチェーン攻撃など次々に登場する新たな脅威や高度化/複雑化する脅威への対策として継続的な対応が求められることから、継続的な拡大が予想される。一方で、高度なセキュリティサービスの需要増加、サービス案件の増加などにより提供事業者側の技術者が不足しており、需要に対応しきれない状況が続いている。

セキュリティ製品は、クラウド型セキュリティ製品やサービス基盤向け製品の需要が好調である。今後はセキュリティシステム環境の内製化が大手企業を中心に進むとみられることから、堅調な拡大が予想される。

セキュリティサービスは、高度なセキュリティ運用に対する強いニーズがあるが、提供事業者側の技術者不足や、セキュリティ製品のクラウド化などにより、セキュリティ製品と比較し伸び率は低くなるとみられる。

今後、既存のセキュリティニーズの増加に加え、クラウドやIoT、5Gなどの活用によるセキュリティ需要の創出、新たな脅威となっているサプライチェーン攻撃の対応として取引先を含めたサプライチェーン全体でのセキュリティ強化などが、今後の市場拡大に寄与するとみられる。特にクラウド、IoT、サプライチェーン攻撃対応による新規需要は2023年度でそれぞれ200億円以上と予測される。

クラウドでは社内外問わず業務を行なえるなどシステムの稼働環境が変化するため、それに対応するセキュリティ対策が必要となる。クラウド向けセキュリティ対策ツールCASBの台頭や、シングルサインオン、ワンタイムパスワードなど認証を強化する動きが活発化している。また、クラウドと相性の良いセキュリティ製品・サービスの需要が増加している。

IoTではデバイスがネットワークに接続されることで生まれるリスクへの対策が必要となる。ネットワークを守るUTM関連製品やセキュリティ監視ツールをはじめ、ネットワークに接続される端末数が大幅に増加することから個々のデバイスを防御する端末セキュリティ製品や、認証するための電子認証サービス、IoT専用の産業用制御システム/組み込み型セキュリティ製品の利用が拡大するとみられる。

サプライチェーン攻撃対策では、大手企業からグループ会社や取引先へのセキュリティ強化要請により、基本的なセキュリティ対策製品・サービスであるウイルス監視サービスやウイルス対策ツール、ファイアウォール・UTM関連製品、メールセキュリティサービスなどの導入が中堅、中小企業で増加するとみられる。また、セキュリティリテラシーの向上を目的とした教育サービスの拡大なども期待される。

その他、注目市場として「CASB」「EDR」「メール標的型攻撃訓練サービス」「サイバー保険」を挙げ、解説している。
 

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