カスペルスキー、2019年の金融関連の脅威に関する調査結果を公開

カスペルスキーの調査チームは4月23日、2019年の金融関連の脅威に関する調査結果を公開した。それによると、この1年間に77万3,943のカスペルスキー製品ユーザーが、金融系マルウェアであるバンキング型トロイの木馬の攻撃に遭遇し、その3分の1(35.1%)が企業ユーザーであることが判明したという。

企業ユーザーを標的にした攻撃は、過去3年間ほぼ24~25%を保っていたが、2019年には35.1%に増加。企業に対する攻撃の増加について調査チームは、オンラインバンキングや電子決済システムのアカウントへのアクセスのみならず、従業員のデバイスへの感染を通じて企業の金融資産にも到達することが可能になるためとみている。

調査の結果、2019年にバンキング型マルウェアの標的となった国は、ロシアが最多の33.6%、次いでドイツが7.4%、中国が3.3%だった。

■カスペルスキー製品での観測(2019年)

●バンキング型マルウェア(Windows)
・バンキング型トロイの木馬による感染の試みを77万3,943のユーザーコンピューターで検知。2018年の88万9,452と比べて減少した。

・バンキング型マルウェアの感染の試みに遭遇した企業ユーザーは35.1%。これは2018年の24.1%から上昇している。

・バンキング型マルウェアによる感染の試みを多く受けたのは順に、ロシア(33.6%)と、ドイツ(7.4%)、中国(3.3%)のユーザー。日本は30番目(0.6%)だった。

●バンキング型マルウェア(Android)
・Androidデバイスを狙ったバンキング型マルウェアの感染に遭遇したユーザー数は、約180万から67万5,000まで減少した。

・Android向けバンキング型マルウェアによる感染の試みを多く受けたのは順に、ロシア(0.72%)、南アフリカ(0.66%)、オーストラリア(0.59%)のユーザー。日本は19番目(0.11%)だった。

フィッシング
・全フィッシングに対する金融系フィッシングの割合は、44.7%から51.4%へ増加した。

・アクセスをブロックしたフィッシングページの内訳は、オンラインバンキングが27.2%、電子決済システムが16.6%、オンラインショップでは7.6%。これは2018年とほとんど変わらなかった。

・Macユーザーが遭遇した金融系フィッシングの割合は54%と、やや減少した。
 

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