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日本情報システム・ユーザー協会、「企業IT動向調査2021」の速報値を発表〜情報セキュリティへの経営層の関与はより強固に

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は1月19日、企業のIT投資・IT戦略などの動向を調べる「企業IT動向調査2021」(2020年度調査)の情報セキュリティに関する速報値を発表した。 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は1月19日、企業のIT投資・IT戦略などの動向を調べる「企業IT動向調査2021」(2020年度調査)の情報セキュリティに関する速報値を発表した。その概要は以下のとおり。 ●IT予算全体に占める情報セキュリティ関連費用の割合 全体として見ると2019年度と大きな変化はないが、売上高別で見ると、特に売上高100億円未満の企業で「15%以上」が大きく伸びている(34.1%→43.8%)。同様に、1兆円以上(13.3%→18.5%)、1000億~1兆円以上(19.6%→26.1%)でも「15%以上」の割合が増加しており、IT予算全体に占める情報セキュリティ関連費用は増加傾向にある。 ●今後(3年後)の情報セキュリティ関連費用の増減予測(経年) 2020年度予測は2019年度予測と比較し「増加」の割合が伸び、特に「2割未満増加」では9.6ポイント伸びた。経年でみても、2016年度からDI値は減少傾向だったが、2020年度予測は54.4ポイントと、2019年度予測の43.7ポイントから大幅に増加した。この傾向は売上高別、業種別でみても同様で、規模・業種によらず、これまで以上のセキュリティ関連費用増加が見込まれる。 ●経営層の情報セキュリティリスクおよび対策へのかかわり方 売上高別でみると1兆円以上では、「経営層はセキュリティリスクを経営課題のひとつと認識しており、セキュリティリスクや重大なセキュリティ対策については経営会議等で審議・決定される」が17.5ポイント増加の90.7%となっており、経営層の関与度の高まりがみえる。一方、売上高1000億円未満の企業ではそれが増加傾向ではあるものの約3割に留まり、情報セキュリティに対する経営者の意識はまだ低い状況となっている。 その他、以下の調査結果を報告している。 ●新型コロナ禍で情報セキュリティに関する各種対策について見直しや強化 ●ビジネスのデジタル化に向けたセキュリティ対策推進上の課題 ●情報セキュリティ人材の不足状況   関連リンク プレスリリース(PDF)