IPA、2022年の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を公開

IPA(情報処理推進機構)は2月8日、「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[2022年(1月~12月)]」を公開した。その概要は以下のとおり。

2022年に寄せられたウイルス届出は、年間で前年の878件より318件(約36.2%)少ない560件。このうちウイルス感染被害(実被害)があった届出は188件だった。ウイルス感染被害の主なものは、Emotetに感染した被害が145件、ランサムウェアに感染した被害が17件だった。

ウイルス届出を月別に見ると、3月が最も多く125件。また、被害があったという届出も3月が最も多く51件あり、このうちEmotetに関する届出が42件だった。

2022年に寄せられたウイルス等検出数は、前年の132万2725個より28万950個少ない(約21.2%)104万1775個。月別に見ると3月が最も多く、27万7154個だった。これは、一部の届出者において、ウイルス感染を狙うメールを大量に受信したと推測される届出が寄せられたためである。

2022年では、Emotetと呼ばれるウイルス感染被害の届出が年間を通じて145件寄せられた。特に3月においては42件の被害の届出があり、これはIPAが2月に「Emotetの攻撃活動の急増」として、注意喚起を行なった時期と一致する。

2022年におけるEmotetの攻撃活動を振り返ると、2月から7月にかけて、活発化が観測されたのち、7月中旬頃に沈静化する。その後、11月に攻撃活動の再開が観測されている。このことから、今後も不定期に攻撃の停滞と再開を繰り返すものと推測される。また、ランサムウェアの感染被害についても年間を通じて17件寄せられており、依然として被害が発生している。
 

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