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中国美味紀行その30(上海編1)「出来立てを熱々のまま頬張りたい──小籠包」

 つい先日の16日、上海ディズニーランドがオープンし、久しぶりに上海が日本でも話題になっている。それに合わせたわけではないのだが、前回で最終回を迎えたアモイ編に引き続き、今回からは上海編をお送りしていく。中国一の大都会といっても過言ではない上海には、どんな美味いものがあるのかをお伝えしていこうと思う。

上海料理の特徴は......

 いつもどおり、上海はどこにあるのか?についてから始めよう。下の地図を見ていただくと分かるように、上海の緯度は鹿児島とほぼ同じ。日本からも近く、九州の佐賀空港までは飛行機で2時間弱だ。

意外に日本から近い上海(グーグルマップを引用) 日本では中華料理というと「広東料理」「四川料理」「北京料理」「上海料理」あたりが有名どころ。広東料理でよく知られているのは飲茶(ヤムチャ)の「点心」、四川料理だと「麻婆豆腐」、北京料理だと「北京ダック」といったところが挙げられるが、では、上海料理というと、どのようなものが思い浮かぶだろうか。

 上海は東シナ海に面しており、しかも世界で3番目に長い川である長江(揚子江)の河口にあるため、魚介類が豊富……であってもいいはずだが、特に魚料理が名物というわけでもない。実は上海料理は中国ではかなりマイナーな存在。醤油や黒酢を多く使った甘くて濃厚な味付けが特徴で、上海のある華東地域以外の人たちにとっては、味が「甘すぎる」らしい。

口をハフハフさせながら

 そんな上海料理のなかで、その名を中国全土に轟かせているのが「小籠包」と「上海蟹」である。今回は、この2大スーパースターのうちの「小籠包」とご紹介する。それがこちら。

「鮮肉小籠」(10元=160円)。後ろにある麺のスープはやや甘めの味付け この写真の小籠包は、1878年創業に創業した老舗「徳興館」のもの。この店は麺類がメインなのだが、その他にも上海の庶民の味を食べることができる。ちなみに、この店では小籠包のことを「小籠」と呼んでいる。小籠包とどう違うのかは、不勉強でよく分からない……。

 小籠包といえば、皮の中に包まれた熱々のスープが特徴。かじったとたんに中からスープが溢れ出てくるため、一口で食べてしまうか、スープがこぼれないようにレンゲの上に乗せて食べる。

 筆者的にはレンゲの上に乗せて食べるのは邪道で、出来立てを口の中に放り込んでハフハフさせながら食べるのが小籠包の醍醐味だと思っている。だが、食べ終わる頃には口の中の上あごの皮がベロベロになってしまうので注意が必要だ。

 今回は1回目ということで上海料理の有名どころをご紹介したが、次回以降は日本でもあまり食べることができない上海の美味いモノをご紹介していく。

オマケカット1。上海は大気汚染が深刻な状況で、ひどい時はこんなに霞んでいることも

オマケカット2。空気が澄んでいる日は、有名な上海の夜景もこんなにきれいに

佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。