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中国美味紀行その96「台湾特別編(その10)豆腐を使った中華スイーツ──豆花」

 イカビーフンの次に入った店が、中華スイーツの店。そこではデザートとして、豆腐を使ったスイーツの豆花(ドウフア)をいただいた。

甘い汁と具を乗せれば、豆腐も立派なスイーツに

 豆花はヨーグルトのような柔らかめの豆腐に甘い汁や具を乗せたもので、中国では地方によって豆腐花(ドウフフア)、または豆腐脳(ドウフナオ)とも呼ばれている。ただし、これは中華圏だけの食べ物ではなく、筆者は同じようなものを東南アジアのベトナムでも食べたことがある(同じ東南アジアのマレーシアにもあったが、マレーシアは華人が多い)。

 低いテーブルの椅子に座り、最初にいただいた豆花がこちらである。

友人がオーダーしてくれたものなので正直自信がないのだが、おそらく檸檬珍珠豆花(ニンモン ヂェンジュ ドウフア)

 黒い粒々は、最近日本でも人気のタピオカティーに使われている珍珠(ヂェンジュ)と同じようなものだと思う。ちなみに、珍珠のクニュクニュした食感を、中国語ではQQ(キューキュー)といい、同じような食感のグミのことをQQ糖(キューキュータン)と呼ぶ。

 柔らかい豆腐とクニュクニュした珍珠が口の中でなんとも不思議な食感を生み出し、そこに冷たさと甘さ、酸味が加わって、体の中に涼風を吹き込んでくれる。

 次に出てきたのが、こちらの豪華版。

同じく自信がないが、おそらく綜合豆花(ゾンハー ドウフア)

 だんだん記憶が薄れてきているのだが、こちらも具の下には豆花が入っていたと思う。上に乗っかっている具は食感がそれぞれ異なり、ほんのりした甘さがたまらない。こちらはけっこうお腹にたまりそうである。

 同じく豆腐を食べる日本で、なぜ豆腐がスイーツとして発展しなかったのか。このへんは不思議なところだが、最近は東京あたりでも豆花を出す中華スイーツの店が出てきたので、近いうちに食べにいきたいと思っている。
こちらがメニュー。漢字を見てなんとなく分かるものもあれば、まったく想像がつかないものも

佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。