中国美味紀行その97「台湾特別編(その11)麺線をカップに入れていく店員さんの動作を見るだけでも価値あり?──阿宗麺線」
- 2019/04/06 00:00
- 佐久間賢三
台湾最終日、“台北の原宿”ともいわれる西門町に行ってみた。ここに来たら食わねばならぬのが阿宗麺線(アゾン ミエンシエン)。いつも行列している、麺線の有名店である。
カツオ出汁のスープはやはり日本人の口に合う
麺線は以前にも、台北で食べた朝食でご紹介した。手間を省いてコピペすると、《これは台湾名物の一つで、出汁の利いたとろみのあるスープの中に、素麺のような細い麺がたっぷりと入っている。そして上に乗っかっている具はホルモンである。麺線は朝食としてだけではなく、小腹が空いた時のおやつや夜食としてもよく食べられている。》というわけである。
台湾にはさまざまな味付けのスープや具の麺線があるようだが、スープはカツオ出汁がベースで、具のほうはモツ(大腸)のぶつ切りや牡蠣というのが多い。
台湾ではあちこちに店があり、朝食からおやつ、夜食にと一日中食べられているが、なかでも有名な店が、西門町にある阿宗麺線である。
店内にある大きなズンドウの前に立ち、これまた大きなお玉を持った女性が、ズンドウに入った麺線をまずどんぶりに入れ、それを紙容器に入れていく。よどみなく動くその動作は、ほとんど機械仕掛けのようだ。まあそれくらいでないと、行列している客をさばいていけないのだろう。
スープは濃いめのカツオ出汁。やはり日本人の口に合う。しかも熱々。お味のほうは、もちろん美味いは美味いが、前回朝食で食べたものとどう違うのかはよく分からない。まあ西門町に行ったら話のタネに食べてみるといったていどで充分かも。
佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。