吃貨美味探訪記 No.136(大馬編その4)「クセになる朝のチキンカレー──黃薑飯&咖喱鶏」
- 2020/11/21 00:00
- 佐久間賢三
以前にも書いたが、マレーシアでは朝ご飯から外食であることが多い。いろいろな料理の屋台が集まった食堂に行くので、朝からよりどりみどりである。そんななかハマってしまったのが、クアラルンプール郊外にあるプタリン・ジャヤの住宅地にある食堂で食べた、朝のチキンカレーである。これがまた特別なのである。
意外に合う、もち米とカレーの組み合わせ
プタリン・ジャヤに住む現地友人の家に泊まった翌朝、その友人が朝ご飯を食べに、車で食堂につれていってくれた。こういうところに来た時、筆者は食べるものを自分で選んだことがほとんどない。たいていは友人が「これ美味いぞ」と選んでくれたものを食べている。
この日、目の前に出てきたのがこれである。
黄色いご飯は中国語で「黃薑飯」で、日本語にすると「ウコンご飯」。もち米をウコン(ターメリック)とココナッツミルクで炊いたご飯である。マレー語では「nasi kunyit」となるのだが、他に「nasi kuning」(黄色いご飯)と呼ばれることもあるようである。ココナッツミルクで炊いたと聞くと、甘い味なのではないかと思ってしまうが、甘くはない。
そして、小さいお椀に入っているのが咖喱鶏(マレー語では「kari ayam」)、つまりチキンカレーである。チキンの大きなかたまりがゴロリと入っている。カレーはあまり辛くないが、日本人好みの味。このカレーをウコンご飯と一緒に食べると、これがまた、たまらなく美味い。もち米ご飯のモチモチした食感も、カレーと意外に合う。それに、もち米だから腹持ちしそうである。
朝カレーは脳の血液量が増加して活性化するなどと言われているが、そんなことなどどうでもいいほど、このカレーは朝から食べるのにピッタリである(もちろん、昼に食べても夜に食べてもいい)。
このチキンカレーを食べた翌年にマレーシアを訪れた際にも、友人に頼んで同じ店に連れていってもらったほど。最初に「食べるものを自分で選んだことがほとんどない」と書いたが、この時ばかりは自分で選んだ。
これは日本で売り出しても、絶対にウケると思う料理の一つである。
佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。