SecurityInsight | セキュリティインサイト

吃貨美味探訪記 No.136(大馬編その4)「クセになる朝のチキンカレー──黃薑飯&咖喱鶏」

 以前にも書いたが、マレーシアでは朝ご飯から外食であることが多い。いろいろな料理の屋台が集まった食堂に行くので、朝からよりどりみどりである。そんななかハマってしまったのが、クアラルンプール郊外にあるプタリン・ジャヤの住宅地にある食堂で食べた、朝のチキンカレーである。これがまた特別なのである。

プタリン・ジャヤにある食堂。小さいながらも種類の異なるいろいろな料理の屋台がある

意外に合う、もち米とカレーの組み合わせ

 プタリン・ジャヤに住む現地友人の家に泊まった翌朝、その友人が朝ご飯を食べに、車で食堂につれていってくれた。こういうところに来た時、筆者は食べるものを自分で選んだことがほとんどない。たいていは友人が「これ美味いぞ」と選んでくれたものを食べている。

 この日、目の前に出てきたのがこれである。

 黄色いご飯は中国語で「黃薑飯」で、日本語にすると「ウコンご飯」。もち米をウコン(ターメリック)とココナッツミルクで炊いたご飯である。マレー語では「nasi kunyit」となるのだが、他に「nasi kuning」(黄色いご飯)と呼ばれることもあるようである。ココナッツミルクで炊いたと聞くと、甘い味なのではないかと思ってしまうが、甘くはない。

 そして、小さいお椀に入っているのが咖喱鶏(マレー語では「kari ayam」)、つまりチキンカレーである。チキンの大きなかたまりがゴロリと入っている。カレーはあまり辛くないが、日本人好みの味。このカレーをウコンご飯と一緒に食べると、これがまた、たまらなく美味い。もち米ご飯のモチモチした食感も、カレーと意外に合う。それに、もち米だから腹持ちしそうである。

ウコンご飯&チキンカレーの屋台 朝カレーは脳の血液量が増加して活性化するなどと言われているが、そんなことなどどうでもいいほど、このカレーは朝から食べるのにピッタリである(もちろん、昼に食べても夜に食べてもいい)。

 このチキンカレーを食べた翌年にマレーシアを訪れた際にも、友人に頼んで同じ店に連れていってもらったほど。最初に「食べるものを自分で選んだことがほとんどない」と書いたが、この時ばかりは自分で選んだ。

 これは日本で売り出しても、絶対にウケると思う料理の一つである。
おまけカット。クアラルンプール郊外の景色。9月ごろになるとヘイズ(haze=煙霧)が酷く、空が霞んでいる。これは隣国インドネシアの山焼きが原因だとか

なんちゃってマレー語講座3。RapidKL(クアラルンプールの公共交通システム)の切符販売機。意味がまったく分からないが、「DESTINASI」だけは「行き先」という意味であろうということが分かる。マレー語ではこのように、英語から来ている単語がけっこうある

佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。