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吃貨美味探訪記 No.156(大馬編その14)「インドネシア発祥の不思議な味の麺──Mee Jawa(ジャワ・ヌードル)」

 イポーを訪れた際のある日の朝食。いつものように屋台形式の食堂にみんなで車で出かけ、いつものようにお任せで朝ご飯が出てくるのを待っていると、これまで食べたことのない不思議な味の麺を食べることとなった。それはマレーシアではなく、お隣のインドネシア発祥の麺料理だった。

スープの色だけでは、どんな味か想像がつかない

 マレーシアの隣国というと、マレー半島側では北に陸続きのタイ、南端にはジョホール海峡を隔ててシンガポールがある。そして半島の南西側には、マラッカ海峡の向こうにインドネシアがある。

 そんなわけで、マレーシア語とインドネシア語は、言語学的には同じマレー語の方言として位置づけられており、言葉以外に料理など似たものが数多くある。マレーシアでポピュラーは串焼きのサテーも、発祥はインドネシアのジャワ島である(と、知ったかぶりをして書いているが、全部ウィキペディアで調べたもの)。

 で、今回食べたのが、インドネシア発祥の麺料理、その名もジャワ・ヌードルである。マレー語で書くとMee Jawa、中国語の簡体字で書くと爪哇面(広東語:ザーウ ワー ミーン)となる。

 ジャワ・ヌードルのジャワは、インドネシアのジャワ島のことで、島中部にあるジョグジャカルタ周辺が発祥の麺料理なのだそう。それが、19世紀初期にジャワ系マレーシア人によってマレーシアに伝えられたようだ。それから長い月日がたち、本場とマレーシアでは、今では作り方や味がやや異なるらしい。

看板の上に書かれている「PENANG 檳城」は、マレー半島北西部にあるペナン島のこと。ジャワ・ヌードルはマレーシアではペナン島のものが有名らしいので、それにあやかっているのかも

 で、マレーシアのイポーで食べたジャワ・ヌードルであるが、上に乗っているのは、肉か何かを包んで揚げたもの。それにゆで卵が添えられている。スープの色だけではどんな味か想像がつかないが、食べてみると、かすかにトマトの酸味が感じられる不思議な味だった。

 決して不味いわけではないのだが、美味かったか?と聞かれたら、うーん……と答えるしかない味。ただ、初めて食べた時はそれほど美味しく感じられなくても、何度か食べていくうちに好きになるものもあるので(実際、ラクサがそうだった)、いつかまた食べる機会があったら、今度はもっとよく味わって食べたいと思う。
おまけカット1。イポーの市街地各地で1週間に1回開かれるpasar malam(パサル・マラム=夜市)で見かけた、寿司の屋台。日本人としてはなかなか手が出しにくい

おまけカット2。こちらはたこ焼き。ちゃんとタコが入っているかどうかは不明だが、こうやって日本の食べ物が売られているのは嬉しい

佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。