吃貨美味探訪記 No.157(日本編その47)「日本でもすっかりお馴染みになった台湾のB級グルメ──魯肉飯」
- 2021/10/02 00:00
- 佐久間賢三
今回は、魯肉飯(ルー ロウ ファン)をご紹介する。ここ1、2年の間に台湾のB級グルメを食べられる店が日本では異様に増えてきていて、魯肉飯など今さらここで取り上げるのが恥ずかしくなるくらいなのだが、せっかく食べたので取り上げようと思う。
台湾の北部と南部では作り方が違う
魯肉飯は、たいていの店では「ろにくはん」などではなく「ルーロウファン」と、中国語読みのフリガナが書かれている。ちなみに台湾では「滷肉飯」と書くのが一般的らしい。というか、意味としてはこちらほうが正しい。滷肉は「煮込んで味付けした肉」という意味だからである。魯肉飯も滷肉飯も、どちらも読み方は同じである。
かつて中国に住んでいた時、町中の食堂(たぶん「沙県小吃」のような福建系の軽食を出す店)で、「魯肉飯(もしかしたら滷肉飯だったかも)」の文字を見た記憶はあるのだが、食べたことは一度もなかった。その手の店では、蒸し餃子とスープ、それにピーナツソースで和えた麺くらいしか食べたなかったからである。
というわけで、3年前に台湾に旅行に行った際、初めて魯肉飯を食べたのだが、それがこれである。
この時の魯肉飯については、中国美味紀行その98「台湾特別編(その12)台湾名物のご飯とスープの組み合わせ──魯肉飯&魚翅肉羹」で書いているので、もしよかったら見てみていただきたい。
で、今回食べた魯肉飯がこちらである。
肉の大きさがちょっと違う。台湾の魯肉飯に比べ、こちらのほうは肉の塊が大きめで、ダイス状になっている。ネットで調べてみたところ、同じ台湾でも台北のある北部と、台南や高雄のある南部では作り方や名称がやや異なるらしく、北部は肉が小さく、南部は肉が大きめらしい。確かに、台湾で魯肉飯を食べたのは台北である。つまり、この店の魯肉飯は南部系ということなのだろうか。
台湾南部で魯肉飯を食べたことがないので、味も同じなのかは分からないが、食べると口の中が幸福感でいっぱいになる優しい味わいなのは、台北で食べたものと同じだった。
次回は、これとセットで頼んだ「麺線」についてご紹介する。
佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。