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吃貨美味探訪記 No.189(出張地元メシ編その4)「新幹線の時間まで退屈だったので──愛知県名古屋市・ひつまぶし」

 今回取り上げるのは「ひつまぶし」。前回に引き続き、名古屋で食べた「茶色い食べ物」の一つである。このコラムでわざわざご紹介するにはあまりにもメジャーな食べ物だが、このとき食べたのが初めてだったし(しかも、それ以降食べていない)、出張で食べるにはけっこうお高い値段だったので、その出費を無駄にしないためにも取り上げることにした。

4つ目の食べ方もある

 出張2日目、岐阜県恵那市での用事を済ませると、JR中央本線の快速電車で名古屋に戻った(1時間ちょっと)。夕食にはまだ早い時間だったが、初めての名古屋だし、帰りの新幹線までまだ時間があったので、駅構内にある飲食店街の店で名物の「ひつまぶし」を食べてみることにした。

 駅構内の、有名店というわけでもない普通の食堂でも、値段は3000円弱。名店ともなればいったいいくらするのだろうとネットで調べてみたら、ほぼ同じ値段の店もあったが、老舗店では4000円以上とさすがにいいお値段だった。

 ひつまぶしの食べ方について、ここで今さらご説明するほどのことでもないかとは思うが、筆者も店の説明書きを見て初めて知ったほどだったので、これまで食べたことない方のために、簡単にご説明しておく。

 おひつの中のうなぎとご飯を4等分にして、そのうちの4分の1を茶碗に盛って、そのままいただく。食べ終えたら、次の4分の1はわさびやネギなどの薬味と一緒にいただく。次はだし汁をかけてお茶漬けのようにしていただく。そして最後の4分の1は、上の3つのうちのお好みの食べ方で……というわけで、3つの食べ方が味わえるわけである。

 ちなみに最後は、2つ目と3つ目の食べ方をミックスして、薬味をたっぷり入れて、お茶漬けにして食べた。これは4つ目の食べ方といえるかもしれないが、おそらく多くの人がこの食べ方を選ぶのではないだろうか。3000円弱という、酒が入っていない出張メシにしてはお高い夕食に満足して、新幹線に乗り込んだ。

 ところで、リード部分で「それ以降食べていない」と書いたが、それは店では食べていないということで、その数年後に愛知県に日帰りで出張に行った際に、帰りの名古屋駅でひつまぶしの駅弁を買って食べてみたことがある。

麺のように見えるのは錦糸玉子。その下にご飯が盛られている

 駅弁なのでだし汁がなく、薬味すら付いていなかったので、1500円もしたにもかかわらず満足感はかなり低かった。これなら、もう少し値段が安かった味噌カツ弁当にしたほうがよかったなと思ったほど。が、その後、ネットで調べてみたら、薬味とだし汁付きのひつまぶし弁当も存在していた。もし次に名古屋駅で駅弁を買う機会があったら、こちらを探してみることにする。
おまけカット。恵那駅はJR中央本線が通るだけでなく、第三セクター鉄道の明知(あけち)線の起点駅でもある

佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。コロナ禍の影響で3年間、海外に行くことができなかったが、ようやくマレーシアに行くことができ、次はどこに行こうかとあれこれ考える日々を送る。