中国美味紀行その91「台湾特別編(その5) 一度食べたら忘れられない“ライスホットドッグ”──大腸包小腸」
- 2019/01/05 00:00
- 佐久間賢三
台湾旅行2日目は、台北から電車に乗って、観光地である十分(シーフェン)と九份(ジウフェン)へ。観光客で狭い通路がギュウギュウ詰めの九份で夜景を見て、タクシーで最寄り駅の瑞芳駅に戻ったところ、駅の近くで夜市のようなところを発見。そして、ついに待望の小吃に出会ってしまった。大腸包小腸(ダー チャン バオ シァオ チャン)。今回の台湾旅行で、もっとも食べたかった食べ物の一つである。
指を舐めつつ「もう1本!」
大腸包小腸は台湾の名物小吃の一つなのだが、初めて食べたのは、かつて中国南東部にある福建省のアモイに滞在していた時。観光客向けの夜市の屋台街で食べたのだが、そのあまりの美味さが忘れられず、以来、台湾に行く機会があったらぜひ食べたいとずっと思っていた。そして今回、駅近くの屋台街のようなところを歩いていたら、大腸包小腸を売る屋台を見つけてしまったのだった。
アモイで食べた大腸包小腸のことについては「中国美味紀行その27(アモイ編8)「台湾夜市の小吃がアモイでも──大腸包小腸」に書いているので、興味のある方はぜひ読んでいただきたい。
そちらに大腸包小腸についての説明も書いており、同じようなことをまた書くのも面倒なので、手抜きしてコピペしたのが以下である。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
大腸と小腸は、臓物のことではなく、大きな腸詰めと小さな腸詰めという意味なのである。大腸包小腸は、この2種類のソーセージと野菜の千切りを使って作る。
白くて大きい腸詰めをコッペパンのように縦切りして、そこに野菜の千切りを入れてから赤い腸詰めを挟む。つまりは腸詰めで腸詰めを挟んだホットドッグというわけだ。ただし腸詰めといっても白い腸詰めの中に入っているのはモチ米で、赤いほうが肉となっている。
肉の腸詰めは中国らしくやや甘い味付けで、それをモチ米の淡白な味わいが優しく包んでいる。その絶妙なバランスの組み合わせは、日本人にとって未知との遭遇。食べ終わったとたんに、指を舐めつつ「もう1本!」となること間違いない。いつか本場台湾の夜市で食べてみたいものである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
というわけで、屋台で頼んで5分ほど待って出てきたのがこちら。
ライスバーガーならぬライスホットドッグのようなもので、甘辛い味付けがもうたまらない。駅前のベンチに座ってひたすらかぶりついて食べた。食べ終わると、上に書いたように“指を舐めつつ「もう1本!」”といきたかったのだが、電車の時間が迫っていたので諦めるしかなかった。まあ台北でも食べることができるさと。
実際のところは、その後、大腸包小腸の屋台に出会うことがなく、結局は食べずじまい。また台湾に行く機会があったら、今度は積極的に屋台を探して食べたいものである。
佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。