吃貨美味探訪記 No.145(日本編その41)「やっぱり焼き立てが美味い──胡椒餅」
- 2021/04/03 00:00
- 佐久間賢三
前回の日本編において、2店の台湾風豆乳スープ「鹹豆漿」(シエン ドウ ジァン)をご紹介したが、同じ台湾名物だからなのか、どちらの店にも「胡椒餅」(フー ジァオ ビン)があった。というわけで、こちらも食べてみた。その結果は、豆乳スープとは逆になった。
また食べにきてもいいほどの味
胡椒餅を初めて食べたのは、2年半ほど前に台湾旅行に行った際。その時のことについては中国美味紀行その88「台湾特別編(その2) 夜市で人気の有名店は、支店でもホントに行列していた──胡椒餅」で取り上げているので、興味のある方はご覧いただきたい。
そこでも書いているので手抜きでコピペすると、胡椒餅は、豚肉とネギ、胡椒、調味料を混ぜた餡を、小麦粉で作った生地で包んで、釜で焼き上げたもの。簡単な言い方をすれば、釜で焼いた肉まんである。下の写真のような釜で、インド料理のナンと同じように焼いている。
そして、日本で食べた胡椒餅。台湾でも待たされたが、日本でも焼き立がるまでに30分近く待たされた。メニューを見ると、上の写真と同じような釜で焼いているようである。そしてようやく出てきたのは、当然ながら熱々の焼き立てだった。それがこれである。
表面にゴマがたくさんついていて、いかにも美味そうであるが、重要なのは中の肉餡である。熱々のところをなんとか2つに割ってみたのがこちらである。
肉がゴロゴロ入っていて、しかも胡椒もしっかり利いていて美味い。この店の豆乳スープのほうはイマイチだったが、胡椒餅のほうはまた食べにきてもいいほどの味だった。30分待たされるだけあるというか、たまたまそうなっただけで、ちょうど焼き上がった時間に店に入っていたら、すぐに食べられたのだと思う。台湾のものに比べたら値段が2.5倍以上するのが残念だが……。
さて、前回の豆乳スープ編では、もう一軒ご紹介して、そちらの豆乳スープはまあまあのお味だったが、胡椒餅のほうは、イマイチどころかイマ3くらいだった。どこか別の場所で焼いたものを置いてあるのか、焼き立てではなく、肉もひき肉の固まりのようなもので美味くなかった。一軒目の胡椒餅と二軒目の豆乳スープを一緒に出してくれるのが一番なのだが、なかなかうまくいかないものである。
さて次回は、出張の時に訪れた店で食べた、マカオの名物をご紹介する。といっても、出張したのはマカオではなく国内である。
佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。