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吃貨美味探訪記 No.150(大馬編その11)「トッピングは豆類のカキ氷──アイスカチャン」

 いよいよ暑い季節になってきたので、満を持してのご紹介である。マレーシアの豪華なカキ氷、アイスカチャンである。マレーシアのイポーに初めて行った時に食べて以来、行くたびにほとんど食べている大好物である。

なぜか夜に食べることが常だったカキ氷

 アイスカチャンはマレー語で書くと「Ais Kacang」。Aisはその読み名どおり「氷」の意味で、Kacangは「豆」である。つまり、アイスカチャンは「豆の氷」という意味になる(マレー語は“被修飾語+修飾語”の順番)。

 豆の氷といわれても、どんなものなのかなかなか想像しにくいので、どんなものなのか、2つ連続でお見せしよう。

 上のほうは、アズキにピーナッツ、コーンの他に、以前にご紹介したチェンドルと、後ろにある黒っぽいものはなんだろう? 仙草(シソ科の植物で煮詰めるとゼリーになる)のゼリーだろうか。下のほうは、ピーナッツとコーン、それにチェンドル少々とアイスクリーム。

 見た目は下のほうが派手だが、トッピングの豊富さからいうと上のほうが良さそうである。カキ氷のトッピングに豆類? と思う人も多いかもしれないが、けっこう合うのである。日本のあずきのカキ氷の豪華版と思っていただければ、味が想像できるのではないかと思う。

果物ジュースや冷たいスイーツの屋台。右下がこの店のアイスカチャン。中国語で「杂雪」(これは簡体字。日本語の漢字では「雑雪」)と書かれている

 マレーシアのスイーツとしては、以前にチェンドルをご紹介したが(吃貨美味探訪記 No.142(大馬編その7)「緑色のニョロニョロの正体は!? 暑いマレーシアにぴったりの屋台スイーツ──チェンドル」)、チェンドルを食べに行くのはいつも昼間の暑い盛りの時間帯だった一方、アイスカチャンは、晩御飯を終えて夕涼みがてら外に出掛けて、屋台街で食べることが常だった。たまたまなのか、現地の食習慣としてそういうものなのか、次回行った時に確認してみようと思う。
簡易屋台の店が多いチェンドルとは違い、アイスカチャンはこういった屋台街で食べることが多かった

おまけカット。市内中心部で開かれていた、マレー系の夜市。中華系の夜市と違い、食べ物系の店が少なかった

佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。