吃貨美味探訪記 No.161(日本編その49)「とろみのあるカツオ出汁のスープが日本人好み──麺線」
- 2021/12/04 00:00
- 佐久間賢三
今回は、本来なら前回の日本編で取り上げる予定だった麺線(ミエン シエン)について。前々回の魯肉飯(ルー ロウ ファン)を食べた時に、セットで頼んだものである。
油条と一緒に食べても美味しい
麺線と魯肉飯、どちらも台湾の名物ご飯である。先日、台湾料理店に昼食を食べにいく機会があり、魯肉飯と一緒に食べた麺線がこちらである。
ややとろみのあるカツオ出汁のスープに、そうめんのように細い麺が入っている。具や少量のモツとパクチーのみ。3年前に台湾に旅行に行った際に台北で食べたものは、カツオ出汁の味が前面に押し出してきたが、こちらはカツオ出汁が控えめで、上品な感じ。日本の店のようにちょっとおしゃれな内装のところだと、こちらの味のほうが向いているかもしれない。
ちなみに台北で食べた麺線については、以前に書いた中国美味紀行その92「台湾特別編(その6) 朝食は炭水化物祭り──もち米おにぎり・お粥・麺線」と中国美味紀行その97「台湾特別編(その11)麺線をカップに入れていく店員さんの動作を見るだけでも価値あり?──阿宗麺線」でもご紹介しているので、もし興味があれば、そちらもご覧いただきたい。
この麺線、初めて食べたのは、台湾海峡を挟んだ中国大陸側にある福建省のアモイ(厦門)である。アモイでは一般的に麺線糊(ミエン シエン フー)と呼ばれていて、朝食に食べることが多いようである。それがこれ。
アモイ風もあっさり味でとろみのあるスープは同じだが、出汁はカツオではなく肉系だったと思う。そして中華風揚げパンの油条(ヨウ ティアオ)と一緒に食べることも多いようで、スープを吸った油条がたまらなくうまかった記憶がある。
どこで食べるにせよ、お腹に優しいスープと麺は、お酒を飲みすぎた翌日の朝食にピッタリのことだろう。
佐久間賢三
9年5か月に及ぶ中国滞在から帰国してきて早5年半以上。日本での生活をなんとか続けながらも、外国のあの刺激的な日々が恋しくなってきている今日この頃。世界的なコロナ禍の影響でしばらくは海外旅行に行けそうもなく、雑誌の海外旅行特集や昔の写真を見てウサを晴らそうとするも、かえってウップンが溜まるという悪循環の中で身悶えている。