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吃貨美味探訪記 No.196(マレーシア編その34)「マレーシア食い倒れ旅8:クアラルンプールに出発前の腹ごしらえと到着後の遅めのランチ──飲茶と肉骨茶」

 イポー4日目。この日はクアラルンプールで行われる結婚式の前夜祭があり、そして翌日は結婚式ということで、朝から一族みんなで車数台に分乗して、クアラルンプールに向かうことになっていた。イポーからクアラルンプールまで高速道路を約2時間。その前に、まずはみんなで朝食を食べに行った。朝の飲茶である。

珍しくそそくさと朝食を食べ終えた理由とは

 多くの人がご存じかと思うが、飲茶(広東語:ヤム ツァ)とは、簡単に言うと中国茶を飲みながら点心(同:ディム サム)を食べる食事である。中国の飲茶について興味がある方は、中国美味紀行その48(深圳編2)「週末の午前中に家族揃って──飲茶(その1 準備編)」をご参照いただきたい。

 飲茶における点心のオーダーというと、昔は点心の入った蒸籠を積み上げたワゴンが各テーブルを周ってきて、客はその中から好きな点心を選ぶというシステムだったらしいが、今ではそういう店は絶滅危惧種となっている。

 今回入ったこの店では、オーダーして持ってきてもらう点心と、店員さんがテーブルまで持ってくる、いろいろな点心の蒸籠を載せたトレーの中から選ぶという2つのシステムになっているらしい。

こちらはオーダーした点心。揚げ物系が多い。大きい点心はハサミで切って食べやすい大きさに

店員さんがトレーに載せて持ってきたのは蒸籠に入った点心

今回食べた点心の一部

 飲茶は普通、お茶を飲んでおしゃべりしながらのんびりと味わうものだが、この時は食べ終えたらすぐに出発というのもあったからか、いつもよりもそそくさと食べ終え、車に乗り込むこととなった。車に乗ってから聞いた話では、この店に行くのは初めてで、それほど美味しくなかったらしい。筆者は美味しく食べたのだが、食べ慣れている現地の人の舌はやはり厳しい。

 クアラルンプールまでの道中は特に書くべきこともなく、今回、娘さんが結婚する親戚の家に無事に到着。しばしそこで休息したあと、再び車に乗り、10人ほどで遅い昼食へと向かった。

小さくて読みにくいが、看板の肉骨茶のアルファベット表記が、一般的な「BAK KUT TEH」ではなく「BAE GOOD TEH」になっているのが面白い 着いたのは肉骨茶(バー ク テー)の店。以前にも連れてきてもらったことがある店だった。肉骨茶って何だ?という方は、吃貨美味探訪記 No.130(大馬編その1)「マレーシアで生まれた中華系料理──肉骨茶」をご覧いただきたい。なんと、マレーシア編の記念すべき第1回で紹介したのが肉骨茶だった。

 そして、今回いただいた肉骨茶が、こちらの2種類。上が普通の肉骨茶、下が汁なし肉骨茶である。汁なし肉骨茶は、スープで煮込んだ肉骨茶のアレンジ版で、比較的最近になって出てきたものらしい。

 肉骨茶はもともと肉体労働者向けに作られた料理だからか、やや濃い目の味付けで、酒よりも白いご飯がよく合う。そしてここでも、自分でおかずを取る必要はなく、親戚の誰かが茶碗の上に載せてくれる。それをただ食べるのみである。「もうお腹いっぱい」とはなかなか言い出せず、結局、お腹いっぱいになるまで食べることになる。

  お茶のポットがなんとも特徴的。持って帰りたかった 今度はゆっくり時間をかけて昼食を食べ終えたあとは、この日、みんなで宿泊する場所へと向かった。この日の夜は結婚式の前夜祭、翌日の夜は披露宴ということで、いちいちイポーに帰っていたら面倒なので、みんなでまとめて一か所で泊まることにしたのだ。

 着いてみたら、そこは広い庭のある一軒家。いわゆる民泊である。車が数台は停められるスペースがあった。家の中は広いリビングとベッドルームが5部屋あり、ここに20人くらいで2泊する。平均すると1部屋に4人ずつ。ベッド1つに2人で寝ることになる。以前、マレーシア南部のジョホールバルで結婚式があった時にも、同じようにみんなで一軒家に泊まった経験があるので、それほど驚きもなかった。

建物の右側と裏側が広い庭となっていた

 ここでまた一休みして、暗くなったら新婦の家にまた行き、結婚式の前夜祭。さらに大勢の人数で、ワイワイガヤガヤとご飯を食べることになる。

佐久間賢三
仕事が忙しいわけでもないのに、出張以外にどこにも遊びに行かない日々。来年の旧正月にマレーシアに行く飛行機の予約を早々に取り、今からワクワクしている。